サービス残業をやらせるのが下手な俺

2013年09月29日 #
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1踊る増田さん:2013/09/08(日) 23:06:48.00 ID:f6Dkgs23pP

 「サービス残業は非常に嫌なものである。しかし、それをやらせる方はもっと嫌なのだ」と名言っぽく言っても免罪符にはならないだろう。

 当時俺はサービス残業を平気でする完璧な社畜になっていて、もう抗議する余力も転職する余力もなかった。待遇は最悪。でも、もうこれでいいんだ、俺が我慢すればいいと思ってた。

 部下ができ、立場が変わった時、俺だけが我慢すればいい問題ではないと気づいた。サービス残業を「やらされる」会社にいれば、いつでも「やらせる」側に回る可能性があることが頭になかった。

 契約社員という形で入社してきた部下は2週間くらいは黙ってサービス残業をしていた。しかし、ある日、「○○さん、話があります」とサービス残業について抗議してきた。俺は自分の上司にやられたことにならって、同じようにサービス残業をやるように指導したので実践報告をしてみる。

1 仕事はやりがい理論

「お客様が喜ぶ顔を思えば金なんか関係なくなるよな。俺たちは金のためではなく人の幸せのために働いているんだ」

やりがいの搾取って言うんだっけ? これ反論しにくいよね。反論すると、自分が人の幸せより金のために働いているみたいになってしまうからね。まあ本当は仕事は金のためにやるものだし「金」と「人のため」は両立するから、詭弁そのものなんだけど。

 こんな感じで、やりがい面を強調したんだが、どうもそれだと不満だったらしく、1週間後にまた「○○さん、話があります」って来たよ。「この仕事にやりがいは感じていますが、やはり、生活のために働いた分だけお金は頂かないといけません」だって。俺より強いw

2 残業が発生するのは仕事が遅いからだ理論。

「いや、別に残業はしなくていいんだよ? 定時以内に終わるならさ。君が無能なわけではないよ。でも君はまだ会社に入ったばかりで、仕事になれていない。だから時間がかかって、定時過ぎになってしまうのはしょうがないんだよ。もしそれで残業代を君あげてしまうと仕事が遅い人が得してしまうだろ? だから払えないんだ」

この仕事遅いから理論はやりがい理論より少し論理的で悪くはない。部下は実際に仕事が遅かったので何も反論が言えなかったようだ。

「俺の仕事が遅くても関係ない。仕事を残ってやってるんだから残業代払え!」

は正論だけど自分の無能を棚に上げているみたいで、言いづらい。これにより、3ヶ月間、部下は文句を言わなかったが、ある日の朝「○○さん、話があります」とまた言い出した。

「すいません。仕事は入社時より大分速くなったはずですが、全然定時以内に仕事が終わる気がしません。私の今日の仕事量を見て下さい」と言って、俺に今日の仕事の予定表を見せてきた。見ると、部下の言う通りどう考えても時間内に終わらない量。「そこでアドバイスを頂きたいのですが、この仕事量を1日で終わらせる方法を教えて下さい」と部下は平坦な声で言った。いくつかの仕事についてスピードアップのためのテクニックは教えることができたが、やはり定時以内には終わらない量。追い詰められた俺は無理矢理話を打ち切る形でそのまま席を立った。もうその日の夜、部下がずかずかとやってきて、すぐに「○○さん、話があるんですが」と言った。話というのはやはり、サービス残業は嫌だと言うことだった。しょうがないので3つめのカードを切った。

2 金は後からついてくる理論

俺「金はな後からついてくるんだよ。まずは金の事を気にせずがむしゃらに働け。お前がどれほどの能力を持っているか判らない内は、給料を上げることはできないよ。そりゃそうだろ? 給料を高くしたのに働きはよくならなかったでは、こっちが困る。まずは、お前の能力をアピールしてみろ。そうしたらそれ相応の給料になる」

部下「それはサービス残業とは関係ない話すですよね」

俺「……」

部下「私は今、定時以降は無給で働いていますよね?」

俺「ま、まあ、そうだ」

部下「それは定時以降の私の仕事に給料を払う価値がないからですか? 価値がないならやらなくていいってことですよね?」

俺「・・・・・・」

瞬殺された。

結果どうなったか。俺は上司に相談するよと言って、上司に経緯を話した。その後、俺の上司が直接部下と話したらしいがそれでも納得いかなかったらしく、彼は会社を去っていった。

はじめて俺がサービス残業をやらされた時の事は今でも覚えている。ああこれがサービス残業かとぼんやりと思いながら働いた後、身体に大きくのしかかった疲労。金にならない仕事は疲れるんだとはじめて知った。いいように使われている自分に対して苛立ちを覚えたし、悲しくもあった。家に帰って、ネットで「サービス残業 ○○」と検索しては溜息をついた。何度か上司に抗議もした。そのたびに傷ついた。いつしか、抗議をするより黙って働いた方が楽だと思うようになった。どんな環境だって、割り切ってしまえば楽なんだ、と。でもそれは違う。気づいたよ。俺が耐えた不幸は俺の後を歩く人間が辿る不幸だって。俺が耐えても意味ない。誰かが断ち切らないといけないんだって。俺は断ち切ることができず、不幸の連鎖に手を貸してしまった。本当に俺がすべきだったのは部下にサービス残業やらせる方法を考えるのではなく、部下と一緒になって上司に「××さん、話があるんですが。サービス残業は嫌です」と言うことだったんだ。もう遅いけど。

俺も部下にならって先月仕事を辞めた。最悪な待遇について諦めていたんだけど、部下が辞めた時現実に戻されて会社を辞める勇気が出たんだよ。逆に部下に助けられてしまったな。

1001以下、増田にかわりまして管理人がお送りします:2012/09/23(日) 04:57:31.00 ID:???

掲載元スレッド:http://anond.hatelabo.jp/20130908230648

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